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 アノ失言男が帰ってきた。内閣改造で農相に就任したばかりの太田誠一氏。就任から10日もたたないうちに、「消費者はやかましい」とやらかし、野党の猛反発を招いたのだ。
太田氏の発言は、8月10日、NHKの討論番組で飛び出した。中国の毒ギョーザ事件など食の安全に関して、「基本的に、食の安全は、日本国内で心配しなくていいと思っているが、消費者・国民がやかましいから、さらに徹底していく」と、まるで消費者をうるさがるような言い草。さすがに「『日本は消費者が正当に権利を主張できる民主主義の国』という趣旨」などと弁明したが、野党ばかりか、野田聖子・消費者相ら閣僚の不興も買ってしまった。
食の安全は、福田首相が内閣の最重要課題とする消費者行政にモロにかかわるテーマだけに、自民党もピリピリ。麻生太郎・幹事長は19日になって、「関西以西では『やかましい』とみんな言う。普通の表現。よく知っているという意味」とかばい、火消しに躍起だ。
永田町関係者が言う。
「福田首相のウリは、消費者行政の充実です。秋の臨時国会では、消費者庁設置や中国ギョーザ事件の情報隠しなどが大きなテーマになります。肝心の農相がこれでは、福田内閣の先行きが思いやられる」
任命した福田首相も今ごろ頭を抱えているに違いないが、自業自得と言うべきか。何しろ、太田氏は、03年、早大生らのイベントサークル「スーパーフリー」の集団暴行事件について、「集団レイプする人はまだ元気があるからいい。まだ正常に近いんじゃないか」と発言した“前科持ち”なのだ。
この失言を受けて、「やっぱり農相のポストは鬼門だ」と声を潜めるのは、自民党の中堅議員。07年5月には「政治とカネ」で追及を受けた松岡利勝氏が自殺、続く「絆創膏王子」こと赤城徳彦氏も事務所費問題で更迭された。その次の遠藤武彦氏は、組合長を務めていた農業共済組合の補助金不正受給問題で、わずか1週間で辞任に追い込まれた。
農相ポストは、福田首相が、“本命”の議員に就任要請を断られ、やむなく太田氏にお鉢が回ってきたという経緯もあり、永田町では、「イマイチやる気が出ないんだろ」と同情交じりのささやきも。9月中旬召集の臨時国会では、野党に「やかましく」追及されるのは必至だが、神妙な顔で乗り切れるかどうか。

http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20080826-01-0202.html

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