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毎日新聞の5~7日の世論調査(面接)は首相に必要な資質、望ましい政権の形なども質問した。自民党総裁選が10日告示され、衆院選までの「政治決戦」がスタートする中、直面する課題を片づける首相を求める傾向の強まりがうかがえたほか、自民、民主両党の「大連立」志向が根強いことを示した。【中田卓二】
◇政策実行力36%
あらかじめ10項目を用意して「首相に必要な資質は何か」を聞いたところ、(1)政策実行力36%(2)決断力33%(3)先見性9%(4)人柄4%--などの順だった。
昨年9月、一昨年9月の面接調査に比べ、政策実行力は6ポイント増。決断力は21%→28%→33%と推移しており、原油・食糧価格の高騰などで生活不安が高まる中、首相の政治力によるこれらの問題の解決を期待する人が増えたとみられる。
支持政党別に見ても政策実行力と決断力が上位を占めた。ただ、自民支持層が決断力37%、政策実行力34%だったのに対し、民主支持層、公明支持層では政策実行力が40%を超えて最多だった。
政策実行力を重視する層が「首相にふさわしい」として挙げたのは(1)自民党の麻生太郎幹事長24%(2)民主党の小沢一郎代表8%(3)小泉純一郎元首相7%--の順で、決断力を重視する層も(1)麻生氏27%(2)小泉氏9%(3)小沢氏6%--だった。
一方、1年間の福田政権を「評価する」は21%、「評価しない」は73%。昨年9月調査(安倍晋三前首相の退陣表明前)の安倍政権1年に対する評価(評価する22%、評価しない74%)とほぼ同水準となった。
「望ましいと考える政権の形」も6項目を用意して質問。(1)「自民、民主が協力する大連立」37%(2)「民主党を中心とした連立」17%(3)「今の自民、公明の連立」14%--などの順になった。
昨年12月と今年1月の電話による調査では「大連立」と「民主中心」がほぼ拮抗(きっこう)。調査方法が違うので単純比較はできないが、1~6月の通常国会で「ねじれ」の現実を見て、政治の安定を求める大連立志向が強まったとも読み取れる。
自民支持層も「大連立」が最多の45%で、「自公連立」24%と「自民単独」23%を大きく上回った。民主支持層は(1)「民主中心の連立」52%(2)「大連立」24%(3)「民主単独」17%--の順で、公明支持層の72%は「自公連立」を選択した。
一方、麻生氏が首相にふさわしいとした層は「大連立」が40%で最多。これに対し、小沢氏を挙げた層は「民主中心の連立」が過半数の53%だった。
「ねじれ」を単純に考えると、次期衆院選で与党が勝利しても残るが、民主党勝利では解消される。政党支持別などでの回答の違いはこうした政治状況を反映したとみられる。
8日に民主党代表の無投票3選が決まった小沢氏への評価は、「評価しない」が72%にのぼり、「評価する」の22%を大きく上回った。福田政権1年に対する評価とほぼ同じ数字で、次期衆院選後に民主党政権が誕生し、小沢氏が首相に就任した場合、福田康夫首相と同様に低支持率に悩むことを予想させる数字となった。
注目されるのは、民主支持層でも「評価しない」が39%にのぼった点。さすがに「評価する」の方が57%で高かったものの、党への支持と代表への評価が必ずしも一致していないことを示した。
民主党以外の政党を支持する層でも公明支持層の87%など、軒並みに7~8割が「評価しない」と回答。無党派層も「評価する」13%、「評価しない」82%だった。
また、女性の「評価する」は17%にとどまり、女性が小沢氏に厳しい見方をしていることがうかがえた。
「誰が首相にふさわしいと思うか」との質問は、自由に名前を挙げる方法にしたため、国会議員以外も多数にのぼった。
トップは東京都の石原慎太郎知事で、23人が名前を挙げた。続いて宮崎県の東国原英夫知事の8人、タレントで映画監督の北野武(ビートたけし)さんの5人が続いた。
大阪府の橋下徹知事が3人から支持を受けたほか、フジテレビ系で今年5~7月に放映された政治ドラマ「CHANGE」で首相を演じたタレントの木村拓哉さんに2票、木村さんの役名の「朝倉啓太」に1票が集まった。【田中成之】