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民主党の小沢一郎代表(66)は党代表選の無投票3選を決めた8日、政権構想の骨格を発表するとともに、政権奪取に向けた「最後の戦い」(小沢氏)と位置づける衆院選に全力を挙げることを宣言した。だが、小沢氏が首相の座を射止め、持論である政権交代を実現できるかどうか、多くのハードルが待ち受けている。(民主党取材班)
◇
「それどころじゃない! 行脚、行脚! 選挙、選挙!」
8日夕、記者会見を終えた小沢氏は、党本部内で翌日の党厚生労働部門会議の出欠を党幹部に尋ねられた際、高揚した口調でこう言い放ち、そそくさと党本部を後にした。「衆院選用の写真撮影」(幹部)へ向かったのだ。会議には代わりに鳩山由紀夫幹事長が出席することになった。
小沢氏は記者会見でも、「衆院解散・総選挙は目前に迫っている。民主党は本日から総選挙での勝利、新しい政権づくりに向けて、一丸となり、全力で突き進む方針だ」と強調した。
小沢氏にとって、自民党総裁選は、国家の行く末を決める上であくまで準決勝であり、決勝戦である自民党総裁選での勝者との衆院選に勝利することが最大の目標だ。
「小沢代表は衆院選を経て、民主党の初代首相になる」
鳩山氏も8日、小沢氏3選が決まった直後、記者団にこう語った。
だが、福田康夫首相の唐突な退陣表明で、自民党はイメージが損なわれたとはいえ、ただちに派手な総裁選を展開し、メディアを“占拠”し続けている。
民主党の簗瀬進参院国対委員長は8日、民放ラジオ番組で、「小泉純一郎さん(元首相)のようなスーパースター不在の、あまり盛り上がらない茶番劇のにぎやかしのようだ」と揶揄(やゆ)した。
それでも民主党議員の多くは、自民党の総裁選効果がどう出るかはかりかねている。党内には「民主党に一回やらせてみようじゃないか、という国民の声は強い」(菅直人代表代行)という強気の声がある一方、「自民党の戦術にやられた。今さら無理だが複数候補で代表選をすればよかった」(若手)との声が交錯する。
参院選圧勝の立役者として、幹部を含む多数派から無投票3選を支持された小沢氏だが、自民党総裁選をどうはね返すか、必ずしも秘策があるわけではない。
小沢氏は会見後、直嶋正行政調会長を呼び、自らの政権構想の骨格も参考にしながら、衆院選のマニフェスト(政権公約)を早急にまとめるよう指示した。
政権構想の骨格は、参院選マニフェストを踏まえ、「『国民の生活が第一』を大原則として日本型セーフティーネットをつくる」(小沢氏)ものだ。
公的年金制度の一元化▽▽1人月額2万6000円の子ども手当▽農漁業者への戸別所得補償制度▽高速道路無料化と揮発油税の暫定税率の廃止-。いずれも有権者らが歓迎しそうな政策が並ぶ。
これに対し、町村信孝官房長官は8日の会見で「財源の裏打ちなきバラマキ政策だという批判を私どもも相当いっているし、マスコミからも出ている」と指摘した。自民党は衆院選でこの点をたたこうと手ぐすねひいて待っている。
バラマキ批判への小沢氏の反論はこうだ。
「自民党政権はトップが代わっても政治行政の実態を官僚機構に握られ、腐敗、無駄遣いにつながっている。現時点で特別会計を含め予算に10兆円前後の不要額があると聞く」、「財源がない、というのは役所ベースの予算に手をつけず、新たに(施策を上乗せ)した場合の議論だ。役所のマインドコントロール下にある」と語った。
これでも十分でないと思ったのか、小沢氏は「一般道路予算5兆6000億円はもはや必要ない」と、具体的に踏み込んでみせた。
ただ、小沢氏や民主党の説明を有権者が受け入れるかどうかは不透明で、「すべては衆院選での論戦にかかっている」(同党中堅)とみられている。
また、与野党に広く存在する「反小沢感情」も不確定要素だ。「剛腕」と評される半面、しばしば、「強権的」「わがまま」と呼ばれる小沢氏から離反した元側近が、自民党に復党したケースは少なくない。民主党内には、昨秋の大連立構想の際に小沢氏が見せたような政治手法への反発もくすぶっており、党運営への支持は必ずしも盤石というわけではなさそうだ。
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「それどころじゃない! 行脚、行脚! 選挙、選挙!」
8日夕、記者会見を終えた小沢氏は、党本部内で翌日の党厚生労働部門会議の出欠を党幹部に尋ねられた際、高揚した口調でこう言い放ち、そそくさと党本部を後にした。「衆院選用の写真撮影」(幹部)へ向かったのだ。会議には代わりに鳩山由紀夫幹事長が出席することになった。
小沢氏は記者会見でも、「衆院解散・総選挙は目前に迫っている。民主党は本日から総選挙での勝利、新しい政権づくりに向けて、一丸となり、全力で突き進む方針だ」と強調した。
小沢氏にとって、自民党総裁選は、国家の行く末を決める上であくまで準決勝であり、決勝戦である自民党総裁選での勝者との衆院選に勝利することが最大の目標だ。
「小沢代表は衆院選を経て、民主党の初代首相になる」
鳩山氏も8日、小沢氏3選が決まった直後、記者団にこう語った。
だが、福田康夫首相の唐突な退陣表明で、自民党はイメージが損なわれたとはいえ、ただちに派手な総裁選を展開し、メディアを“占拠”し続けている。
民主党の簗瀬進参院国対委員長は8日、民放ラジオ番組で、「小泉純一郎さん(元首相)のようなスーパースター不在の、あまり盛り上がらない茶番劇のにぎやかしのようだ」と揶揄(やゆ)した。
それでも民主党議員の多くは、自民党の総裁選効果がどう出るかはかりかねている。党内には「民主党に一回やらせてみようじゃないか、という国民の声は強い」(菅直人代表代行)という強気の声がある一方、「自民党の戦術にやられた。今さら無理だが複数候補で代表選をすればよかった」(若手)との声が交錯する。
参院選圧勝の立役者として、幹部を含む多数派から無投票3選を支持された小沢氏だが、自民党総裁選をどうはね返すか、必ずしも秘策があるわけではない。
小沢氏は会見後、直嶋正行政調会長を呼び、自らの政権構想の骨格も参考にしながら、衆院選のマニフェスト(政権公約)を早急にまとめるよう指示した。
政権構想の骨格は、参院選マニフェストを踏まえ、「『国民の生活が第一』を大原則として日本型セーフティーネットをつくる」(小沢氏)ものだ。
公的年金制度の一元化▽▽1人月額2万6000円の子ども手当▽農漁業者への戸別所得補償制度▽高速道路無料化と揮発油税の暫定税率の廃止-。いずれも有権者らが歓迎しそうな政策が並ぶ。
これに対し、町村信孝官房長官は8日の会見で「財源の裏打ちなきバラマキ政策だという批判を私どもも相当いっているし、マスコミからも出ている」と指摘した。自民党は衆院選でこの点をたたこうと手ぐすねひいて待っている。
バラマキ批判への小沢氏の反論はこうだ。
「自民党政権はトップが代わっても政治行政の実態を官僚機構に握られ、腐敗、無駄遣いにつながっている。現時点で特別会計を含め予算に10兆円前後の不要額があると聞く」、「財源がない、というのは役所ベースの予算に手をつけず、新たに(施策を上乗せ)した場合の議論だ。役所のマインドコントロール下にある」と語った。
これでも十分でないと思ったのか、小沢氏は「一般道路予算5兆6000億円はもはや必要ない」と、具体的に踏み込んでみせた。
ただ、小沢氏や民主党の説明を有権者が受け入れるかどうかは不透明で、「すべては衆院選での論戦にかかっている」(同党中堅)とみられている。
また、与野党に広く存在する「反小沢感情」も不確定要素だ。「剛腕」と評される半面、しばしば、「強権的」「わがまま」と呼ばれる小沢氏から離反した元側近が、自民党に復党したケースは少なくない。民主党内には、昨秋の大連立構想の際に小沢氏が見せたような政治手法への反発もくすぶっており、党運営への支持は必ずしも盤石というわけではなさそうだ。
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