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民主党の小沢代表が3選を受けた8日の記者会見で発表した政権構想は、安全保障など党内で意見の隔たりの大きい政策ではあいまいさを残した内容となった。
衆院選を控え、党の結束を重視したためだが、党内の保守系議員らを中心に不満の声も上がっている。
小沢氏は記者会見で、政権交代に懸ける決意を、「自民党離党以来の集大成」と表現し、挙党態勢で衆院選に臨む姿勢を強調した。
1993年に自民党を離党した小沢氏は、自民党と連立政権を組んだ自由党党首時代を除けば、常に自民党と
政権構想は、そんな小沢氏のこだわりと妥協の産物となった。
構想に盛り込んだ、「与党議員100人以上が副大臣、政務官として政府に入り、政府・与党の政策決定を一元化する」という方針はもともと、自民党離党時に出版した「日本改造計画」で打ち出したものだ。
ところが、「消費税10%」の提案や、「普通の国になれ」というキャッチフレーズで有名になった安全保障分野での国際貢献の主張など、同書にあったその他の主張は、政権構想ではまったく影を潜めている。
消費税率引き上げに関し、小沢氏は8日の記者会見で、「(歳出削減など)いろいろ全部やってみて、その上で将来的に税制全体を考えていけばいい。現時点では十分(財源は)ある」と述べ、当面の引き上げは必要ないとする見解を示した。
国際貢献については、政権構想に「国連の平和活動に積極的に参加する」と記しただけだ。
小沢氏は「国連決議に基づく国際平和活動であれば、海外に派遣した自衛隊の武力行使も憲法9条には抵触しない」と主張してきた。しかし、党内には、積極貢献論者の前原誠司、野田佳彦両氏ら保守系議員と、自衛隊の海外派遣自体に抵抗感が強い旧社会党系議員を抱えており、この問題に踏み込めば論争に火がつくのは避けられない。持論にこだわる小沢氏も、衆院選を前に「党内不一致の印象は避けたい」という思惑を優先させ、あいまいな表現にとどめたと見られる。
今回の代表選では、前原、野田両氏が複数候補による論戦の必要性を主張し、野田氏は自らの出馬も模索したが、党内に支持を広げることができずに失敗した。党内では「前原、野田両氏の影響力が低下し、小沢体制は菅代表代行や旧社会党系に目配りする『左ブレ』が強くなるのではないか」と指摘する声も出ている。